ふぅみんと一緒♪

物見遊山と社会科見学

研修生を育てる

今週のお題「仕事と子育て」

目次

 

お題の本筋からは外れるが、仕事場で子育てをするという意味で、研修生について書こうと思う。

企業が研修生を採用する理由

私の職場には、研修生という名目で、学校に通いながら職場で働く学生が多くいる。
企業がこのような研修生を採用する理由は主に二つある。

  • 正社員の代わりに、安い労働力を確保する
  • 新卒一括採用をしないので、将来の正社員採用の候補者として資質を見る

安い労働力とはいえ、賃金は支払われ、学費の援助が出ることもあり、しかも優秀な上司が授業料無料で個人指導してくれるのだから、かなりの好待遇である。

どんな人が研修生になるか?

私は今まで多くの研修生を育ててきた。 企業としては、正社員の部下は雇えないので、学生で代用しろというわけである。

多くが、大学在学中の学生か、すでに大学を卒業し、次の資格を取ろうとしている学生で、研修は、資格を取るための必修科目になっている。 技術系の学生もいるし、ビジネス系の学生もいる。 優秀な学生もいるし、そうでない場合もある。 

研修生は二通りあり、6か月フルタイムで在籍する短期の研修生と、1~2年学校の授業と並行して在籍する長期の研修生がいる。その度に採用して教育しなおさなくてはならず、それなりに苦労が多い。

優秀な研修生を育てる楽しさ

優秀な学生の場合は、教えるのにも張り合いがある。 一つ教えれば、すぐに理解し、工夫して改善する。 また、自分でミスをチェックして、速く正確に仕事をするので、頼りになる。

こうして育てた研修生が立派に旅立つのを見るのはとても嬉しい。 課題の発表や、卒業式に招かれたこともある。

スローな研修生を育てる忍耐

そうでない学生の場合は、育てるのにかなり苦労する。

教えれば、その時は分かるようなのだが、すぐに忘れる。
メモをとっても、どこにメモしたか忘れる。
そして、聞いた方が早いからと言って、私に聞く。 

どこで間違えたから分からないといって、最終チェックを私に丸投げする。
人の間違いをチェックするぐらいなら自分でやった方が早いのだが、そこは教育のためと自分に言い聞かせ、一緒にチェックして教える。
しかし、チェックの仕方を次の時には忘れて、また私に聞く。

「一体上司を何と心得ているのか? 君は幼稚園児か? 小学生か? フランスの教育程度はこんなに低いのか*1?」

と言いたいのをぐっとこらえて、何度も何度も同じことを教えている。

なるほど、昔、中学の先生がおっしゃっていた「一を知るために十を教える」とはこのことか、と妙に納得する。

仕事が雑な研修生を育てる寛容

一方、仕事は速いが、次々と雑な仕事をそのまま提出されるのも困る。

英語表記やレイアウトなど、学生ならこんなものかとも思うが、 プロとしては許容できない。 注意しても、初めに教えてくれなかったからできなくて当然だと開き直る。 

結局私が手を入れて何とか見られるものにした結果、称賛を浴びるのは研修生である。 それを笑って受け入れる寛容の心が必要になる。

研修生を育てるメリット

散々文句を言ってみたが、研修生を育てるのことにはメリットもある。

以前のお題「外のことが分からない」でも書いたように、人は何でも自分を基準にして考える傾向にある。 世の中はそうではないということを、研修生たちは身をもって教えてくれる。

また、私の仕事の速さは、得てして周りから浮いてしまう。 そんな時、スローな研修生に仕事を任せれば、全体としてのスピードが程よく平均値になり、周囲に溶け込めるのである。

こうして忍耐と寛容の心を育てることは、私の人間的成長につながっていると信じたい。f:id:frozen_float:20200703161533p:plain

終わりに

日本でも、初等教育・家庭教育の欠陥の後始末を押し付けられている学校の先生や、企業の新入社員担当の先輩社員の方々は、同じように感じていることだろう。 

「基本的な生活のしつけは家庭でやってほしい」
「もう一度、あいさつの仕方を幼稚園からやり直してほしい」 
「小学校で習う分数計算くらいできるようにしてほしい」 
「中学で習う漢字くらい書けるようにしてほしい」
「...」

毎日忍耐強く子供たちを育てていらっしゃる、あらゆる親御さん方・先生方・先輩方への感謝と尊敬の気持ちを、さらに強めるのである。 

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*1:フランスの名誉のために言えば、大変優秀な人もいるので一般化はできない