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物見遊山と社会科見学

英語は通じなくて当然

目次

私は英語を使って仕事をしているので、英語を使える(と思っている)

世の中には、自分が英語を使える(と思っている)人は多いが、そのレベルやニュアンスは人それぞれである。
「英語を使える人」と「英語を使えない人」の2種類にはっきりと分かれているわけではない。

「英語」という世界共通語を学べば世界中どこにでも通じるというのは、大きな幻想である。

英語と米語の違い

オスカーワイルドの短編小説の中に、こんな記述がある。

We have really everything in common with America nowadays, except, of course, language

また、バーナードショウは、こう言ったと伝えられている。

The United States and Great Britain are two countries separated by a common language

English language - Wikiquote

私たちが日本で習うのは米語であり、英語は発音のみならず、つづりや語彙まで違うので、学習しなおさねば英語は使えるようにはならない。

発音については、英語を母国語とするはずのアメリカ人やカナダ人が、英国人の言うことが理解できないと言っているのを聞いたことがある。

つづりの違いとして有名なのは、

  • 英語では ll (travelled)  米語では l (traveled)
  • 英語では s (realisation)  米語では z (realization)
  • 英語では re (theatre)  米語では er (theater)

語彙の違いの例として、車の部品やタイプの名称を挙げておこう。

  • 英語では wing 米語では fender
  • 英語では boot   米語では trunk
  • 英語では bonnet 米語では hood
  • 英語では estate car 米語では station wagon

婦人用ファッション用語にも違いがある。

  • 英語では knickers   米語では panties
  • 英語では tights   米語では pantyhose
  • 英語では jumper 米語では sweater
  • 英語では trousers 米語では pants

Cambridge Free English Dictionary and Thesaurus

Women's Clothing | Women's Fashion | M&S

世界中の英語の違い

英語を使うのは、英国と米国に限らない。

カナダやインドやオーストラリアなどイギリス連邦に属する国はもとより、欧州やアジアの諸国では第二外国語として、また共通の言語として使われている。

ちょっと想像してほしい。

英国と米国だけでも大きく違うのに、他の国の人たちが同じ英語を使っているとは、到底思えない。

私は、フランス人やドイツ人の話す英語をよく聞くが、その文法上の間違い方に一定のパターンがあり、各々の母国語に繋がっているのが面白い。

すなわち、フランス人にはフランス人の英語、ドイツ人にはドイツ人の英語が存在するのだ。

世界標準英語は存在しない。

ニュアンスの違い

発音・つづり・語彙の問題が解決できても、さらにニュアンスの違いがある。

例えば、英国人は軽~い気持ちで親しみを込めて "Shut up!" というのだが、米国人によればこれは非常に失礼な表現なのだそうだ。 

また、フランス人は、自国語でも非常に回りくどい言い方をし、それが教養だと認識されており、長~い話の後、一体何が言いたかったのか良くわからないことが多々あるのだが、それが彼らの英語表現にも表れている。

あるフランス人は、ドイツ人同僚からのメールにあった表現 "Could you please...?" に対し、上から目線の無礼な表現だと激怒していた(笑)

したがって、フランス人相手にメールをするときは、できるだけmaybe とか無駄な言葉を入れて婉曲になるように努力している。
それでも、フランス人の気に入る英語を書くのは至難の業である。
最近では、どこまで婉曲にできるか、ゲームのつもりで楽しんでいる。

一方、中国人は仕事の上ではビジネスライクなので、あまり婉曲に書くと、何をしてほしいか伝わらない。
中国人相手の時は、簡潔明瞭を心がけている。

レベルの違い

最後に忘れてはならないのは、個人の英語のレベルの違いである。

英語を母国語とする人に良くあるのだが、相手も自分と同じように英語ができるのが当然と思い、相手が誰であろうと同じように話す。

これでは、初心者や外国人はたまったものではない。

いくら文学的教養があり、美しい表現を使っても、それが相手に伝わらなけれは意味がない。

相手があまり英語が得意でないと感じたら、簡単な語彙を選び、二重否定などの複雑な表現は避け、ゆっくりと話す、このような気遣いは当然必要だろう。

おわりに

英語が通じないのには多くの理由がある。

  • 英語と米語の違い
  • 世界中の英語の違い
  • ニュアンスの違い
  • レベルの違い

 

英語は通じなくて当然!

「もしも英語が使えたら・・」

気後れすることなく、ご自分なりの英語を誇りをもって使ってほしい。

 

今週のお題