ふぅみんと一緒♪

物見遊山と社会科見学

マイクロプロセッサ

今週のお題「試験の思い出」

回路学の講義

回路学の時間は、なぜか眠くなった。

先生の声が子守歌のように聞こえ、いくら頑張って目を開けていても焦点が狂ってきて、ぼ~っとしてくる。
それでも時々はっと目覚め、懸命にノートを取った。
(と、クラスで評判だった浮遊人)
半分眠りながら取ったノートは、自分で読んでも半分しかわからない。

期末試験

大学は小学校とは違い、決まった教科書もないし、ましてや計算ドリルなんて言う便利なものもない。

期末試験対策としては、半分しかわからないノートを読み返し、関係ありそうな参考書を読んで理解しておくことしかなかった。

そして回路学の期末試験に出題されたのは・・

マイクロプロセッサの応用可能な例を挙げよ。

当時は、マイクロプロセッサは今ほど広範囲に使われていなかった。 
そこで、どのような応用が今後可能か提案せよという意図だったのだろう。

こんなこと、講義では習わなかった(と思う・・)
ノートにも書いてないし、教科書や参考書にはもちろん出ていない。
どう解答したらよいのだろう?

SF小説

さて話変わって、私は星新一の大ファンで、すべての作品を暗記するまで繰り返し読んでいた。

星新一のSF短編には、いろいろと便利な未来生活が登場する。
ロボット、ロケット、自動運転、ネット通販、SNS、自動で身体を洗って服を着せてくれる機械・・・
こういうものにはすべてマイクロプロセッサが使われるはずである。

さて話はもとに戻って、今は回路学の試験である。
本当にSFになってしまわないように、実現可能性の高いものを考えてみよう。

身近な生活で使えるように「お目覚めプロセッサ」を提案し、それらしい記述をしてみた。

目覚まし時計にタイマーが連動し、部屋の温度や照明を調整し、コーヒーを淹れ、ご飯を炊き、音楽が流れ・・・といった機能を持つ。
健康状態のチェックもできて、異常があれば医者や救急車に連絡される。

解答しながらも、こんなSFみたいな答えで良いのかな・・・と不安であったが、他に何も思いつかないので仕方ない。

試験結果

後日、試験は無事通過し、先生からのコメントがあった。

皆同じように、産業機械とかエレベータとか解答していて、意外性がない。
一人だけ「お目覚めプロセッサ」と解答した学生がいたが、独自の視点で面白い。

学んだこと

この経験から学んだことは、イノベーションの原点であるかもしれない。

  • 自分にとっては普通のことが、他の人には新鮮に見えることがある。
  • 直接関係ない分野の知識が、役立つこともある。
  • 人が想像できる未来は、実現する。 

今や、SFに書かれていた未来生活がほとんど現実のものとなった。
マイクロプロセッサは、スマホ・パソコンはもとより家庭電化製品や自動車などあらゆるものに使われている。

はるか昔の思い出。
同じような試験問題が出題されることは、もう二度とないだろう。

 

生、温かいご指導有難うございました。
先生の出題は、数ある試験の中で唯一心に残っています。