夏休みの自由研究 「太陽輻射熱による水の温度上昇の色による違い」
今週のお題 「自由研究」
はじめに
夏服は、黒よりも白色のものを着る方が、太陽光を反射して涼しいとはよく言われる。
では、太陽光の下で、温度上昇は色によってどのくらい違うのであろうか?
この素朴な疑問に答えるために、中学の夏休みに自由研究を行った。
実験方法
同じガラス製のコップに水を入れ、絵の具を溶かして色水を作り、戸外の太陽光の下に置き、時間ごとに温度上昇を測定した。
透明な水の他に、絵の具を溶かして白、赤、青、黄色、黒の色水を用意した。
温度計は1本しかないので、一色ごとに室内に取り込み、色水につけて安定したところで測定値を得た。
実験結果
実験結果はグラフにした(レポートはすでに紛失しているのでここには記さない)
予想通り、温度上昇は黒が一番高く、白色のものが一番低かった。
新しい発見としては、透明な水の温度上昇は、白よりも大きかったことである。
白色は、光を反射してしまうので熱が吸収されないが、透明なものは、水の中を光が通過する間に吸収されるのかなと思った。
理科の先生のコメント・その通りです。
あとがき
この自由研究を今になっても覚えている理由は、
- 素朴な疑問から、誰の手も借りずにすべて自分で計画・実行した。
- 透明な水の方が白よりも黒に近いという、ちょっと意外な結果をどう理解するか、さらなる疑問と興味が湧いた。
現在の考察を加えておこう。
太陽光からの輻射熱には、「色」のある可視光のみならず、赤外線も含む広範囲の波長が関与している。
熱放射による光エネルギーの吸収のされやすさを表すのが「放射率」であり、ネットで検索すれば、水やいろいろな材料の放射率を簡単に調べることができる。
https://www.jp.omega.com/techref/pdf/table-total-IR-emissivity.pdf
透明な水の放射率は0.95、白の絵の具は0.91~0.94(材料によって違う)、黒の絵の具は0.96とほとんど差がないものの、白色よりも透明な水の方が放射率が高く、太陽熱を吸収しやすいことを裏付けている。
材料が違えば放射率も違うので、色水で検証されたからと言って、必ずしも洋服の色に当てはまるとは限らないのだが、とりあえず、直射日光の下では白い服を着るのが一番涼しいようである。