祖父の色々な活動の記憶
ちょっと遅れの今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」
祖父は、あまり裕福ではない勤め人だったそうだが、退職後は随分と趣味を広げ、充実した生活を送っていたようだ。
もう、私以外に覚えている人もいないと思うので、祖父に敬意を表して、ここに記しておきたい。
書道教室
祖父は、自宅の一室で近所の子供たちに書道を教えていた。
私と同じ年ごろの、幼稚園に通うような小さな子供たちもいた。
クリスマスには一人一つずつ小さなケーキを用意して、子供たちにプレゼントしていた。
書道を習うというよりも、遊びに来ているのではないか?
教室の生徒ではない私にとっては、なんともうらやましかった。
菊づくり
祖父はまた、菊づくりも趣味としていた。
苗から育て、何度も切ったり植え替えたりしながら、大輪の花を咲かせる。
体力も、手先の器用さも、必要である。
夏の暑い日照りの中、庭仕事に勤しむ祖父の姿が思い出される。
秋には、庭に作った小さな小屋に見事に咲いた菊の花を展示してお客を招き、その美しさを賛美するのであった。
水彩画
いつの頃からか、スケッチブックに、鉛筆と水彩で花の絵を描くようになった。
ひとつひとつ丹念に描かれた絵はとても清らかで美しく、何度見ても飽きなかった。
家には、昭和の皇后陛下・良子さま(香淳皇后)の日本画集があった。
祖父の花の絵に影響を与えたのは、昭和の皇后陛下であったのかもしれない。
孫の図画工作
私が幼稚園デビューして以来、子守をする機会も減り、祖父もちょっと寂しかったことだろう。
それでも、手先の不器用な私は、図画工作は祖父に頼りっぱなしだった。
学校でうまくできない工作などは、家に持って帰って祖父に手を入れてもらうのが常であった。 器用な祖父は、私のヒーローだ。
小学校1年の時の夏休みの宿題には、大きな紙に海草を張り付けたり、魚の絵を描いたり、あれよあれよという間に立派な作品が出来上がっていた。
私もどこか手伝ったりはしたようだが・・
一方、祖父は、私の描いた絵(ペットのオカメインコや、学校の新校舎)を気に入って自分の部屋に飾ってくれていた。