小さな中華料理店
今週のお題「お父さん」
私が少女だった頃・・
ある日、母と喧嘩した私は、悲しくて泣きながら外を歩いた。
区役所の前で公衆電話を見つけ、父に電話したくなった。
電話帳で調べて、父の職場に電話した。
それから直ぐに、父の職場まで会いに行くことにした。
お財布だけ持って、地下鉄に乗った。
駅から歩いて、おぼろげな記憶を頼りに、建物を見つけた。
階段を上って父の職場にたどり着いた。
おりしも夕方になっていたので、近くの中華料理店に連れて行ってくれた。
庶民的で小さなお店で、中国人が経営しているらしい。
父は、中国語で何か話していた。
良く来るお店なのだろう。
店の人を知っているようだ。
父は、とても親しみやすく、知らない人とでも気軽に話す。
また、外国語や方言にも堪能らしく、それを使って見せたいところがあった。
いろいろな中華料理を注文し、一緒に食べた。
父は、いつものようにビールを飲んだ。
脂身の多い大きな肉のかたまりと、緑の野菜が、目に鮮やかだった。
それから一緒に帰宅した。
母親とは、父がうまくとりなしてくれた。
この店の名前は定かでないが、検索すると、辺りにそれらしい店が見つかった。
安くておいしいとの評判である。
次に帰国したら、行ってみたい。