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物見遊山と社会科見学

お父さんたちが活躍する、伊坂幸太郎の作品二点

今週のお題「お父さん」

お父さんたちが活躍する作品二点をご紹介します。

 

伊坂幸太郎 「残り全部バケーション」(2016年9月4日の記事から抜粋編集)

「適番でメールしてみました。友達になろうよ。ドライブとか食事とか」

メールを受け取ったのは離婚寸前のお父さん。
娘「無視だよ、無視」
お父さん「お父さん、友達欲しいんだよな」
お母さん 「いいんじゃない?」
そして、返信。
「友達になりましょう。こちらは47歳の男です。妻45歳、娘16歳も一緒ですが、それでもいいですか?」
当たり屋や強請の裏稼業の世界で、派遣業務に携わる溝口と岡田のコンビ。 
足を洗いたいという岡田に溝口が出した条件は、メールして友達を作ること。
 
かくして岡田は離婚寸前の3人家族とドライブし、豪華なホテルでフルコースの食事をすることになる。
溝口と岡田の関係は如何に?
 

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伊坂幸太郎「オー!ファ-ザー」
 
高校生の由紀夫には、四人の父親と一人の母親がいて、大きな家に六人で同居している。
 
それぞれ個性あふれる四人の父親たち
  • ギャンブル好きの鷹さん
  • 博学の悟さん
  • 女好きの葵さん
  • スポーツ万能の勲さん
 
どうして四人も父親がいるのか?
母親の知代(ともよ)さんが、四人と並行しておつきあいをしていて、誰の子供か分からないからだ。
DNA鑑定はしない。
なぜなら、みんな自分が父親であることを信じたいのだ。
 
由紀夫は四人の父親の良いところを受け継いで、何でもできる。
その度に、父親たちは、自分に似ている、自分こそが実の父親であると喜ぶのである。
 
そんな由紀夫が、次から次へと事件に巻き込まれ、
父親たちはそれぞれの得意分野で活躍する。

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どちらの作品も、何とも現実離れした設定で、こんなことありえないと思いながらも、こんなことあったら良いな~と思いながら読み進むうちに、お話に引き込まれていく。
 
読後感がとてもよい。
心が温まり、希望が湧いてくる。
もう一回味わって読み直したくなる。
特に、父の日には。